禁煙は誰にとっても簡単なことではありませんが、特に大切な人のために禁煙を決意することは、非常に強い動機となります。今回は、20代男性が奥様の妊娠をきっかけに禁煙に挑戦し、その過程でカウンセリングを通じて克服した実体験をご紹介します。
新しい命への決意
ある日、28歳のAさん(男性)が相談にを訪れました。彼は深い悩みと苦しみが入り混じった辛そうにな表情をして禁煙補助剤について相談してきました。 薬の説明よりも辛そうな表情が印象的で、なぜ禁煙を決意したのか聞いてみました。 すると「妻が妊娠したんです。でも、どうしても禁煙がうまくいかなくて…」と、Aさんは話し始めました。彼の奥様も妊娠前は喫煙者で、共に禁煙を決意したものの、思うようにいかず、外でタバコを吸ってしまい、服についた臭いでバレてついに夫婦喧嘩に発展してしまったそうです。
禁煙への挑戦
「赤ちゃんのために禁煙したい。でも、ストレスが溜まるとどうしても手が伸びてしまうんです」とAさんは語りました。彼の言葉には、家族を思う強い気持ちが感じられましたが、同時に自分自身への失望感も滲んでいました。
私はまず、Aさんの気持ちをじっくりと聞くことにしました。喫煙がストレス解消の手段となっていること、夫婦喧嘩が逆にストレスを増大させていることなど、話を進めるうちに多くのことが見えてきました。
カウンセリングの開始
「Aさん、一緒に禁煙の計画を立ててみましょう」と提案しました。まずは、なぜ禁煙をしたいのか、その理由を明確にすることから始めました。Aさんは、「妻と生まれてくる子供のために、健康な家庭を作りたい」と話しました。この目標をしっかりと胸に刻み、禁煙の第一歩を踏み出しました。
禁煙プランの作成
次に、具体的な禁煙プランを作成しました。ニコチンパッチを使用しながら、ストレス管理の方法を学ぶことにしました。また、Aさんの奥様とも協力して禁煙を進めることにしました。お互いに励まし合い、サポートし合うことが重要です。
もしAさんがタバコを吸いたいと思ったら、吸いたくなった気持ちを素直に奥様に伝えてもらい、我慢している状況を応援してもらう。 吸わなくて済んだら褒めてもらう。
一人で頑張るのではなく子供の為という共通のゴールを再確認しながらサポートを得られるように協力してもらうことになりました。
また、禁煙のトリガーとなる状況を避けるために、代替行動を取り入れることを提案しました。Aさんは、喫煙の欲求が強くなったときにガムを噛む、ミントタブレットを食べる、深呼吸をする、運動するなどの方法を試しました。
夫婦の絆を強める
Aさんは、禁煙に取り組む中で、奥様との関係も見直すことができました。お互いに励まし合い、応援し合うことで、禁煙継続中だそうです。カウンセリングを通じて、Aさんと奥様は再び絆を強め、新しい命を迎える準備を進めることができました。
「禁煙がつらいときも、妻と一緒に乗り越えられる」とAさんは話し、笑顔を見せました。その姿は、初めてお話した時とは全く違う、晴れやかな表情でした。
そして先日、もう少しでお子様の顔が見られると奥様と一緒に来店してくれました。
私も元気なお子様を見るのが楽しみです。
禁煙は簡単ではありませんが、専門家のサポートを受けながら、家族や大切な人と協力することで、成功への道を歩むことができます。あなたも、一歩踏み出してみませんか?禁煙カウンセリングは、その一歩を力強くサポートします。 医師のサポートが必要な場合は禁煙外来を、もう少し気軽に相談したい場合はドラッグストア等の薬剤師、登録販売者に相談してみてください。