薬剤師兼心理カウンセラーの本庄尚央です。
今日は熱中症防止の意外な落とし穴についてお話したいと思います。
今年は熱中症アラートが鳴りやまない毎日が続いているので数回に分けて熱中症対策をまとめていきたいと思います。
はじめに
水分を十分に摂取しているにもかかわらず、熱中症になるケースが増えています。その背景には、水分の摂取方法や体内での水分保持に関する重要な要素が関わっています。本記事では、その原因と効果的な予防策について詳しく解説します。
なぜ水分を摂っているのに熱中症になるのか?
- 抗利尿ホルモン(ADH)の働き: 抗利尿ホルモン(ADH)は、重要なホルモンです。 抗利尿ホルモン(ADH)は体内の水分バランスを維持するために尿の生成を抑える働きをしています。 腎臓でろ過された水分は必要に応じて再吸収されます。 脱水に状態になると尿の色が濃くなるのはこのためです。 一度に大量の水を飲むと、血液が薄まり体は一時的に過剰な水分を排出しようとし、抗利尿ホルモン(ADH)の分泌が減少するため、せっかく摂取した水分が尿として出て行ってしまいます。その結果、水分が体内に保持されず、熱中症のリスクが高まります。
- 電解質の不足: 水分補給だけでなく、ナトリウムやカリウムなどの電解質も一緒に補給することが重要です。これらが不足すると、細胞内外の水分バランスが崩れ、熱中症を引き起こしやすくなります。
効果的な予防策
- 少量ずつ頻繁に飲む: 一度に大量の水を飲むのではなく、少量を頻繁に摂取することで、急激に血液が薄まらずに抗利尿ホルモン(ADH)の働きを維持することができるので、摂取した水分が尿中に排泄されにくくなり、体が水分を効率的に保持できるようになります。
- 電解質を含む飲料を選ぶ: スポーツドリンクや経口補水液を活用し、水分とともに電解質も補給しましょう。
- 食事に注意する: 水分と電解質を豊富に含む食品を摂取することも重要です。スイカやきゅうりなどの水分が多い野菜や果物を積極的に取り入れましょう。 まさに夏野菜の多くは水分量が多いので旬のものを食べるのはいつの季節にとっても重要なことです。
まとめ
水分をやみくもに摂取するだけでなく、摂取方法や電解質の補給も考慮することで、熱中症を効果的に予防することができます。